夜更かしする子どもたち:教育関係者ら危機感...学校、園で早寝運動
◇親と一緒に深夜番組、床についても携帯ゲーム...
朝、ぼーっとしていて先生の話が聞けない小学生。「疲れてる」。外へ遊びに誘っても断る保育園児。そんな寝不足気味の子どもたちが、問題になっている。【山本紀子】
「きのうはワールドカップ(W杯)見ちゃって疲れ気味です、よろしくお願いします」。東京都内のある保育園で先月、幼児を連れて登園してきた母親が笑顔で保育士に語りかけた。この日、サッカーのW杯で日本代表が戦いを終えたのは未明の午前1時半過ぎ。あっけらかんと語る母親に、保育士はぎこちない笑みを返すしかなかった。
夜更かしの原因の一つはテレビだ。午後10時過ぎのお笑い番組や連続ドラマを、「親と一緒になんとなく見てしまう子は珍しくない。親御さんも注意しない」(小学校の養護教諭)。携帯型ゲーム機の普及も大きい。都内のある小学校の校医は「午前中から保健室でぐうぐう寝るのはゲームざんまいの証拠。床についてもベッドの中で遊んでいて、就寝時間は午前0時を回る子もいる」と話す。
外食産業の深夜営業や24時間営業のコンビニエンスストアの増加などで、午後10時を過ぎても街に幼児の姿を見かけることは珍しくない。日本小児保健協会の調べでは、午後10時以降に寝る4歳児は80年に13%だったが、00年は39%と3倍になった。
鈴木みゆき和洋女子大教授が幼稚園の教諭らに聞き取りしたところ、遅く寝る子には一定の傾向があった。「無表情で自分の気持ちを表さず、遊びに乗ってくることができない。夜きちんと眠るかどうかが、その子の昼間を決めるのです」
区立中島根保育園の水久保結花里園長は、「早く寝ましょうと呼びかけても、住宅事情で1人だけ早く寝るのが難しかったりして、保護者から『無理です』といわれることもありました」という。08年の調査では、4歳児29人の平均就寝時間は午後10時10分だった。しかし、園児たちに目標を達成できればシールを張る早寝早起きカードを配ったところ、シールを張りたい一心で、「もう寝る」と親に告げさっさと就寝する子が現れた。その後、平均の就寝時刻は20分早まったという。
また昨年、バランスのよい朝食をとるため毎朝の朝食を黄色(炭水化物)▽赤(たんぱく質)▽緑(野菜)に分類させ、色付きシールを張らせた。「赤が足りないからウインナー食べさせて」と親にせがむ子も出て、取り組んだ5歳児は全員が朝食を食べるようになった。水久保園長は「子どもが変われば親も変わる。徐々に意識付けすることが大切」と話す。
そろそろ夏休み。崩れがちな日々のリズムを整える方法について、「おやすみなさいツアーと称して、子どもと家じゅうの電気を消す儀式をして、親も寝てしまうのも一案。寝室のカーテンを閉めないでおけば、光が入って早く目覚められる。昼間は水遊びや泥団子づくりで体を動かせば、夜はすっきり眠れるでしょう」


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